エアークローゼットの概要

2014年に設立され2022年に上場したエアークローゼットについてまとめます
M&A_watch 2024.05.20
誰でも

会社概要

株式会社エアークローゼット(airCloset, Inc.)は、2014年に設立された日本初の月額制ファッションレンタルサービスを提供する企業です。主に働く女性をターゲットに、プロのスタイリストが選んだ洋服を月額料金でレンタルするサービスを展開しています。

  • 本社所在地: 東京都港区南青山3-1-31 KD南青山ビル5F

  • 設立: 2014年

  • 従業員数: 約100名(平均年齢30歳)

  • 資本金: 11億6,000万円

  • 売上高: 33億9,000万円(2023年6月期)

事業概要

エアークローゼットは、以下の主要なサービスを提供しています。

  • airCloset: 月額制のファッションレンタルサービス。プロのスタイリストが選んだ洋服を月に3〜5着レンタルできる。

  • airCloset Mall: メーカー公認の月額制レンタルモール。ファッション以外のアイテムもレンタル可能。

  • airCloset×ABLE: 実店舗でのファッションレンタルサービス。

  • airCloset Fitting: 自宅で完結する新しい購買体験を提供するサービス。

経営戦略

エアークローゼットの経営戦略は、以下の3つの柱に基づいています。

  • 利益を生む仕組みの構築: 収益性を高めるための施策を実行。

  • 顧客基盤の拡大: 既存顧客だけでなく、新規顧客の獲得を目指す。

  • 事業拡大に向けた基盤強化: ノウハウの集約やAI・データの活用を含め、成長を支える基盤を構築。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/9557/tdnet/2441516/00.pdf

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財務概要

2024年6月期第3四半期の財務概要は以下の通りです。

  • 売上高: 10億1,300万円(前年同期比+11.1%)

  • 限界利益: 5億5,500万円(前年同期比+15.3%)

  • EBITDA: 8,900万円(前年同期比+109.5%)

  • 四半期純損益: △6,600万円(前年同期は△7,500万円の赤字)

https://ssl4.eir-parts.net/doc/9557/tdnet/2441516/00.pdf

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対象市場・競合状況

エアークローゼットの主な対象市場は、20代後半から40代の働く女性です。特に、忙しくて買い物に行く時間がない女性や、ファッションに興味があるが時間やお金に制約がある女性をターゲットにしています。競合としては、他のファッションレンタルサービスや、従来のファッション小売業者が挙げられます。特に、サブスクリプション型のサービスを提供する企業が競合となります。

1. MECHAKARI(メチャカリ)

  • 運営会社: 株式会社ストライプインターナショナル

  • 特徴:新品の洋服をレンタル: すべてのアイテムが新品で提供されるため、他人が使用したものを避けたいユーザーに人気があります。料金プラン: 月額3,278円から利用可能で、何度でも交換できるプランがある。ターゲット層: 20〜30代の若年層に人気があり、カジュアルからフォーマルまで幅広いジャンルの洋服を提供

  • 新品の洋服をレンタル: すべてのアイテムが新品で提供されるため、他人が使用したものを避けたいユーザーに人気があります

  • 料金プラン: 月額3,278円から利用可能で、何度でも交換できるプランがある

  • ターゲット層: 20〜30代の若年層に人気があり、カジュアルからフォーマルまで幅広いジャンルの洋服を提供

2. AnotherADdress(アナザーアドレス)

  • 運営会社: 大丸松坂屋百貨店

  • 特徴:高級ブランドの取り扱い: Maison MargielaやMARNIなど、国内外の高級ブランドを多数取り扱っており、ラグジュアリーブランドの洋服を手軽にレンタルできる。選択型サブスクリプション: ユーザーが自分で借りるアイテムを選べるため、自由にコーディネートを楽しむことができる。サステナビリティ: アップサイクルや循環型経済を推進し、持続可能なファッションを提供

  • 高級ブランドの取り扱い: Maison MargielaやMARNIなど、国内外の高級ブランドを多数取り扱っており、ラグジュアリーブランドの洋服を手軽にレンタルできる

  • 選択型サブスクリプション: ユーザーが自分で借りるアイテムを選べるため、自由にコーディネートを楽しむことができる

  • サステナビリティ: アップサイクルや循環型経済を推進し、持続可能なファッションを提供

3. EDIST.CLOSET(エディストクローゼット)

  • 特徴:プロのスタイリストによるコーディネート: スタイリストが選んだコーディネートを提供し、ユーザーの手間を省く。ターゲット層: 働く女性を中心に、特に30代から40代の女性に人気がある

  • プロのスタイリストによるコーディネート: スタイリストが選んだコーディネートを提供し、ユーザーの手間を省く

  • ターゲット層: 働く女性を中心に、特に30代から40代の女性に人気がある

4. Rcawaii(アールカワイイ)

  • 特徴:返却期限なし: 返却期限がなく、好きなだけ洋服を借り続けることができる。パーソナルスタイリスト: プロのスタイリストが全身コーディネートを提供し、ユーザーの好みに合わせた提案を行う。ターゲット層: 若い女性を中心に、デートやパーティーなど特別なシーンでの利用が多い

  • 返却期限なし: 返却期限がなく、好きなだけ洋服を借り続けることができる

  • パーソナルスタイリスト: プロのスタイリストが全身コーディネートを提供し、ユーザーの好みに合わせた提案を行う

  • ターゲット層: 若い女性を中心に、デートやパーティーなど特別なシーンでの利用が多い

5. airCloset(エアークローゼット)

  • 特徴:パーソナルスタイリング: プロのスタイリストがユーザーの好みや体型に合わせた洋服を選び、パーソナライズされたサービスを提供。循環型物流: 独自の物流システム「AC-PORT」を活用し、効率的な物流とサステナビリティを実現。ターゲット層: 働く女性を中心に、特に30代から40代の女性に人気がある

  • パーソナルスタイリング: プロのスタイリストがユーザーの好みや体型に合わせた洋服を選び、パーソナライズされたサービスを提供

  • 循環型物流: 独自の物流システム「AC-PORT」を活用し、効率的な物流とサステナビリティを実現

  • ターゲット層: 働く女性を中心に、特に30代から40代の女性に人気がある

クロスSWOT分析

強み (Strengths)

  • パーソナルスタイリングサービス: プロのスタイリストがユーザーの好みや体型に合わせた洋服を選ぶサービスを提供しており、顧客満足度が高い

  • 循環型物流システム: 独自の物流システム「AC-PORT」を活用し、効率的な物流とサステナビリティを実現している

  • 高い継続率: ロイヤルユーザーの継続率が94%以上と高く、安定した収益基盤を持っている。

  • 多様なサービス展開: airCloset、airCloset Mall、airCloset Fittingなど、多様なサービスを展開し、顧客のニーズに応えている。

  • データ活用とAI: 顧客データを活用したパーソナライゼーションやAIによる効率化を進めている

弱み (Weaknesses)

  • 営業損益の赤字: 依然として営業損益が赤字であり、収益性の改善が課題となっている

  • 高いオペレーションコスト: 物流やクリーニングなどのオペレーションコストが高く、コスト削減が求められている

  • 市場認知度の課題: サービスの認知度向上が必要であり、特に新規顧客の獲得に向けたマーケティングが重要

機会 (Opportunities)

  • 市場の成長: ファッションレンタル市場は成長しており、特にサステナビリティ意識の高まりにより需要が増加している

  • 新規事業の展開: メンズファッションや他のライフスタイル商品への展開、海外市場への進出など、新たな市場機会が存在する。

  • 技術革新: AIやデータ分析技術の進化により、さらに高度なパーソナライゼーションや効率化が可能となる

脅威 (Threats)

  • 競合の増加: MECHAKARI、EDIST.CLOSET、Rcawaiiなどの競合他社が存在し、競争が激化している

  • 経済環境の変動: 経済状況の変動や消費者の購買行動の変化が、サービスの需要に影響を与える可能性がある

  • 物流コストの上昇: 物流コストの上昇やサプライチェーンの問題が、収益性に影響を与える可能性がある

強みを活かして機会を捉える (SO戦略)

  • パーソナルスタイリングと市場成長の融合: 高いパーソナルスタイリングサービスを活かし、成長するファッションレンタル市場でのシェア拡大を図る。

  • データ活用と新規事業展開: データ活用とAI技術を駆使し、新規事業(メンズファッションや海外市場)への展開を加速する。

強みを活かして脅威に対抗する (ST戦略)

  • 競合との差別化: パーソナルスタイリングや循環型物流システムを強化し、競合他社との差別化を図る。

  • コスト効率化: データ分析とAIを活用してオペレーションコストを削減し、収益性を向上させる。

弱みを克服して機会を捉える (WO戦略)

  • 収益性の改善: 営業損益の赤字を解消するため、コスト削減と新規顧客獲得に注力し、収益性を改善する。

  • マーケティング強化: 市場認知度を向上させるため、効果的なマーケティング戦略を展開し、新規顧客の獲得を目指す。

弱みを克服して脅威に対抗する (WT戦略)

  • コスト管理の徹底: 高いオペレーションコストを削減し、経済環境の変動に対する耐性を強化する。

  • リスク管理の強化: 物流コストの上昇やサプライチェーンの問題に対するリスク管理を強化し、安定したサービス提供を維持する。

循環型物流プラットフォームの外販事業

概要

エアークローゼットは、独自に開発した循環型物流プラットフォーム「AC-PORT」を外部企業に提供する外販事業を展開しています。このプラットフォームは、商品の返却を前提とした物流システムであり、効率的なオペレーションとサステナビリティを実現するために設計されています。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/9557/tdnet/2441516/00.pdf

https://ssl4.eir-parts.net/doc/9557/tdnet/2441516/00.pdf

特徴と機能

  • 個品管理システム(WMS):エアークローゼットは、個品管理が可能な独自の倉庫管理システム(WMS)「airCloset Bridge」を開発し、特許を取得しています。このシステムは、商品の返却を前提とした設計で、他社への横展開も可能です

  • 効率的なオペレーション:徹底したオペレーション改善により、返却から再利用までのリードタイムを最短1日に短縮しています。これにより、オペレーションコストの削減と在庫回転率の向上が実現されています

  • 循環型物流:「AC-PORT」は、商品の配送・返送、クリーニング、メンテナンス、在庫管理を一気通貫で行うことができるシステムです。これにより、複雑な物流オペレーションを効率化し、サステナブルなビジネスモデルを支援します

提供事例

  • 東京ソワール:エアークローゼットは、東京ソワールのフォーマルウェアレンタル事業に対して「AC-PORT」を提供しています。この連携により、配送・返送、メンテナンス、在庫管理を一気通貫で運営し、物流オペレーションの効率化を実現しています

  • アウトドア用品レンタル:他社のアウトドア用品レンタル事業にも「AC-PORT」を提供し、物流業務全般を受託しています。これにより、在庫の回転数を向上させ、コスト削減と売上向上を見込んでいます

事業戦略

エアークローゼットは、循環型物流プラットフォームの外販を通じて、以下の戦略を推進しています。

  • 事業領域の拡大:ファッション領域以外にも、フォーマルウェアやアウトドア用品など、さまざまなレンタルビジネスに対して「AC-PORT」を提供し、事業領域を拡大しています。

  • サステナビリティの推進:サーキュラーエコノミーの実現を目指し、持続可能な物流オペレーションを提供することで、環境負荷の低減に貢献しています。

  • 効率化とコスト削減:独自のシステムとオペレーションノウハウを活用し、物流業務の効率化とコスト削減を実現しています。

今後の展望

エアークローゼットは、循環型物流プラットフォームの外販事業をさらに拡大し、サステナブルなビジネスモデルの普及を目指しています。これにより、企業価値の向上と持続可能な成長を実現することを目指しています。

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